
フランスの政治の面白さはネットフリックス以上
現在のフランスのテレビを付けたら例の菌の話より政治の話題の方がもはやどこの番組でも取り上げられているようになった。あれほど毎日必要以上の正確さで感染者数をずっと伝えられていて医療系のドラマのエキストラにもなったのではないかと疑うレベルで散々病院の話を聞かされていたのに、急にそういう情報が一才報道されなくなった。ここ一年半のブランクはなんだったのだろうかと不思議に思えるくらい。その理由は?無論、来年春にせまる大統領選に違いない。
マクロン大統領が再選されるかどうかまだ全然わからない中で、エリゼ宮殿の座を奪うために立候補するチャレンジャーは日に日に増え、医療系の次に今度はサバイバル系の番組を見ているような気がしなくもない。
ところで政界で使われる「左翼」や「右翼」のような言い回しの語源はご存知でしょうか?実はマリーアントワネットの旦那であり王であったルイ16世が革命時に処刑されたことは周知のことだけれども、その死刑を決めるために初めて集まっていた議員たちは建てられたばかりの議事堂の中の「右側」か「左側」に立ったことで自分が「反対」か「賛成」しているのを示していたらしい。想像するだけで時代劇を見ているムードになる。
民主的な国の国会議事堂では未だに左派の政党に所属する議員は左側に座るし、逆に右派の政党で活躍してる議員はその右側の席から法案したりする。シラク元大統領やサルコジ元大統領が「右派」だったらオランド元大統領は「左派」に入る社会党だったに対し、マクロン大統領はそのどちらにも所属しないことを主張して古臭い政党制を覆すように呼びかけたからこそ、2017年に当選した。そのおかげで何十年前からしがみついてた大勢の政治家たちが交代されたが今回ゼムールという「フランスのトランプ」のような政治家もどきが出てきたし、右も左も混乱中。最終的に見せられるのは真面目なノンフィクションかお笑い番組みたいなもんかは来年の春から始まる新シーズンでわかるはず。
著名 小田中直樹
出版社 岩波書店
Noisette Press 93号 (2021/10)




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