英パスポートに仏語が書かれているワケ

数年前にイギリスが欧州連合から離脱し、ヨーロッパの「中」でありながらも「外」の立場に戻った。ユーロ圏に加入しなかった時点で、絶対美味しいところばかり持ってかれると懸念した人は多かったが、揚げられた魚と芋が代表的な料理の国だから正当な恐れといえば正当な恐れだった。いわゆるブレグジットが行われた時、ネガと寝言でしか金儲けできぬ経済学者達は「もうイギリスはお終い」などと予言したけど、終活する気配すらないビンビンのクイーンに鼻で笑われただろ。無理はない。ユーロ圏と比べれば不景気に陥ったとは言い難いし、コロナ禍の中でちゃんと国産ワクチンも開発できたから英国にはまだまだ当分太陽が沈みそうもないだろう。

海の向こう側だと言えお隣の国だからフランスとはお互い無視できない存在である。実際、過去を振り返れば両国の歴史がいかに絡み合ってるのかがわかる。中世時代はまるでプチ戦国のようで「百年戦争」が示す通りに平和が待ち望まれても来ない時は来ない。百年はさすがに長い。戦争の原因どころかどちらが先に相手を侵攻したのかも覚えてないはず。先祖に売られた喧嘩を自分が買い継ぎ続けるのはだいぶ馬鹿げた話だ。当時は言葉の壁がものすごく薄かったし。実は百年戦争が勃発するまでイギリス王はフランス王という君主の下にいる諸侯の一人に過ぎず、イギリス王をはじめイギリス宮廷の皆はフランス語で会話してたのだ。現代の英パスポートの表紙に描かれる国章の下に仏文が綺麗に残ってるのはその時代の名残だ。ブレグジット直後にその文章を排除しようという保守的な声もあがったらしいが、きっとそれは隣国の「蛙野郎共」が英国発祥のスポーツでワールドチャンピオンになったことを耐えられなかったからだろ。どんな競技って?クイディッチよりだいぶ幼稚な競技だと言っても過言ではないはず。

題名 :「A year in the merde」
著者 : Stephen CLARKE
出版社 : Black Swan
Noisette Press 104号 (2022/09)

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