
大臣より賢くなるコツ
今年の大河ドラマの放送とほぼ同じタイミングでパリの美術館で源氏物語の特別展が始まった。それをきっかけに売れてる作家や人気俳優等は取材を受け、この古典の中の古典がいかに影響を与えたのかをベラベラ喋ったりするが、皆同じようなコメントしかしないので、実際のところで本当に読んでいるのかなと疑問に思ってる。
なかなか分厚い本だし、基本的に大勢のフランス人は読書離れしている。古典に限られた問題ではない。サルコジが大統領時代の貿易大臣は記者会見の際「最近お読みになられた本は?」というごくシンプルな質問に「ザディグ・エ・ヴォルテール」というふうに答えてしまった。
何がおかしいかというと、ヴォルテールという多才な作家によって「ザディグ」という童話は書かれたのが事実でありながらも「ザディグ・エ・ヴォルテール」はファッション業界のあるブランド名である。
エリートばかりに美味い飯を食わせる学歴社会もどうかと思うけど、人材を才能より友情で選んでしまう政治家もいい加減にしないとこういうバカが注目を浴びる上、出版危機が当然解消されない。
第一、政界は少年ジャンプの三原則で回れないのでお友達同士で聖剣(政権)握るのはやめろと言いたい。とはいえ近頃は性スキャンダルが多いせいか漫画雑誌というより安めのエロ本ばかり読んでるのではないかという気にさせられる。エロの力で出版危機が回避されたらまだいいけど。
そういえば詩集も週刊誌と同じぐらい売れたらいいと思いながら基本的に高級ホテルで有名人が合コンしたりするような内容より若干硬いので売り上げが伸びない理由もわからなくもない。一方、現代の詩と言われるラップになるとお勧めできる本は「日本語ラップ名盤100」という。
同年代、あるいは単純に言葉遊びが好きな人へは即買いに値する。聞いたことない先駆者の音から割と最近の若手アーティストの曲まで選曲されるので幅広く日本語ラップを知ることになる。頭を振りたくなる教科書はそうそうないので、是非。
著作「日本語ラップ名盤100」
著者 韻踏み夫
出版 イースト・プレス
Noisette Press 121号 (2024/02)




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