ゆるキャラにより相応しい座を

夏が終わってしまう。それぞれの季節にはもちろん良いところがあるとしてもやはり大抵のフランス人にとってバカンスに相当するこのサマータイムが終わるとブルーな気分になる。

日本みたいに毎週のようにお祭りがある訳ではないが、今回はオリンピックというイベントの中のイベントがあってかなり楽しいムードになった。記録的な視聴率やスポーツに対する前代未聞の情熱さを示すようにフランス全国が盛り上がり、開会式の謎な演出やセーヌ川で泳いだ選手の健康を除いたらオリンピックは大成功を収めたと言えるだろう。

それこそ「祭りの後」になった今は皆がすっかり「JOSTALGIQUE」な気分に落ち入れた (オリンピックとノスタルジックから成り立った五輪ロスという意味の新造語)。

とはいえ9月を迎えたら新学期なので大体その時は教師の数が足りないとか学費が高いとか無数の理由で全国各地に抗議が生まれる。予想される機動隊との衝突などは視聴者のスペクタクル欲を満たしてくれるに間違いがない。

何より「オリンピック中は政治的な不安定を避けなければならない」という口実で6月の総選挙の結果を無視した大統領はいまだに新しい首相を決めてないので、政治的な面ではフランスが安定しているとは言いづらい。

どうせ次の首相は誰になろうが支持率は極めて低いままになるだろうし、候補者の将来のビジョンや哲学より同性愛だの犬派だのどうでもいい要素が注目されるなら、しばらくフリージュにその首相の座を譲ったらどうだと提案したくなる。オリンピックの雰囲気が続く上、いくら不満が溜まってもあんな可愛いキャラに国民は怒りの矛先を向けきれないような気がするので、一石二鳥の作戦になるのではないかと。

G7など首脳サミットに出席してるところ見たいと思う視聴者も多いはずだし、流石にセーヌ川に泳いでもらったらパリ市長よりもっと情けない風景になると思うが。

あー、今回は特に本を読んできてないけれどもイギリスに旅した際にどの本屋に柚木麻子氏の「バター」が押されてたように見たので、一応気にはなってる本です。

著作「バター」
著者 柚木 麻子
出版 新潮社
Noisette Press 128号 (2024/09)

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