
権力は不思議なものだ。
筋斗雲に乗れるほど心が綺麗な方まで狂わせたりして、逆にそいつを失わないよう友人や家族を犠牲にして不条理な行動に出る人も少なくない。
まぁそうこないと大抵のハリウッド映画や戯曲もつまらないものになってしまう。だって大体悪役やライバルが権力や座をあっさり譲ったら、マジで話にはならないのだ。
選挙時に「政治家は全員ダメだ」とよく耳にするが、正直この時代では権力者も楽ではないとは思う。SNSやニュースのせいで毎日まるで密着されてるような状況に置かれてるので。ここに数十年前からのフランスの大統領歴を振り返れば権力者としてやっていくのがいくらしんどいのかがわかるはず。
サルコジ大統領がのち妻になるカーラ・ブルーニとディスニーランドで熱々デートの最中にパパラッチに追われ最終的に週刊誌に載ってしまったのはまだ可愛いものだ。大物女優と共に夜中こっそり二人乗りでエリゼー宮殿を出るオランド大統領もまだ笑えるネタに入るといえば入る。
一方、シラク大統領は専属の運転手曰くいつも「シャワータイム込みで5分」しか愛人の家に長居してなかったことで有名。遊び人の噂はともかく早漏疑惑もなかなか晴らさず他界してしまった本人はやっぱり可哀想だけど、歳の差婚で話題になったマクロンの方がその中で一番可哀想かも。
自分の妻がなんと男性として生まれたのではないかと言われるからだ。それだけではない。その変わった陰謀論者達は奥様のブリジットが映る写真を細かく分析して「巨根説」まで流したりもする。「そんなに大きくないゾ」とマクロンがしんちゃん風に返したらいいのにと思うけど、無理あるね。
自分だったらすぐやめると思うけど、きっとそれなりの報酬やメリットがあるからこそ権力を手放さず皆は粘るだろう。粘りすぎて越えてはいけない線まで越えてしまうし。かつて聖人風に扱われていたアベ・ピエールやマハトマ・ガンジーも結局猥褻の疑惑をかけられてしまい、悪者になったので実際「上の者」に対してあまり期待せず、皆はそれぞれの「現場」で所轄の青島みたいにできるだけまっすぐ生きれば一番いいかも。
振り返ればきっと深津絵里のチャーミングな笑顔も見れると流石に誰も約束できないけど。選挙時のダメな政治家以外な。
著者 : マキアヴェリ (池田廉)
出版社 : 中公文庫
Noisette Press 129号 (2024/10)




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