
花の都を去った現代の囚人たち
外出禁止令が出された時、こんな状況に追い込まれたことのあるフランス人は自ら監禁欲のある、特殊なプレイ好きの変態意外に当然、誰もいなかった。初めての体験だからこそ、全てがどういうふうに始まったのかは皆きっと一生忘れられないだろう。自分の周りの反応もしっかり覚えている。テレビの前で眉間にシワを寄せたマクロン大統領の話を聞いた後、皆はただひたすらに唖然としていただろう。信じられないこと或いは受け入れたくないことが起きると、なぜか我々人間は「どうせこれは夢だ」と思い込み、すぐ現実逃避してしまう。
「逃げも隠れもしない」と堂々と言えるのはやっぱり少年漫画のキャラと嘘つきの政治家に限られている。今回もあれは夢ではないことに気づいた途端に、誰もが半分興奮・半分パニックという非常に妙な状態に落ちた。隠れも逃げもしないどころか、「パリ脱出」がハッシュタグとして流行るほど地方出身のパリジャンや別荘持ちの富豪者の多くは一目散にパリを後にした。仕方ないといえば仕方ない。逆に外に出る自由がなくなる中、庭付きの一軒家より3畳の裏部屋をあえて選ぶ方が、例の監禁好きと並べるほど立派なマゾに違いない。
それから化粧品や服を買いにいけないだけで自分が囚人並みの生活してると大げさに嘆いてる人もどうかしてると言いたいところが、せっかく牢獄に投げ入れられるような感覚がするならば、フランス文学の中で最も有名な囚人の物語である『モンテクリスト伯』をぜひ読んでほしいかも。実話に基づいたと言われるこの本は無実の罪で刑務所に送られたある男の復讐話であってものすごく面白い小説だが、その主人公は14年間閉じ込められてる設定になってるから、おそらく我らに暇つぶしになるをコツ一つか二つ教えてくれるだろう。
著者 :アレクサンドル・デュマ
出版社 : 岩波文庫
Noisette Press 75号 (2020/04)




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