
熱い友情の話はヤンキー漫画ばかりじゃない!
フランス人の子供は、鬼ごっこや隠れん坊以外にどういう風に遊ぶのかと、今のこの国のママたちに聞いてみたら、「うちの子は任天堂スイッチからなかなか離れないですよ」と少々悲しい返答が返ってきそうな時勢ですが、まだピーチ姫助けで正義感を身につけようがなかった一昔前なら、フランスの少年達は赤い帽子を被ったチビオッサンではなく、剣を持った喧嘩好きの男達に憧れ、よく木の枝を持って外で決闘の真似事していたのです。
仕方ないといえば、仕方ないです。
男の子というのは自分が騎士であると思い込みがちですから。
しかし皆さん、子供の目で騎士よりカッコよく映る兵士がいるのはご存知ですか?英雄に近いような存在。現代語で言えば国民的なアイドル。
(決して草食系男子ではないが)
そんな凄い兵士は銃士である。
銃士?フランス語では「Mousquetaire」と言い、元々マスケット銃という武器を備えた兵士を指す言い方です。
ところで、19世紀前半フランス文学の最重要人物の一人であるアレクサンドル・デュマは『三銃士』という名作を著したことで、歴史の闇に葬られかけた銃士は、とんでもない人気を得り、フランスの象徴の一つになりました。
アニメ化や漫画化された他、この作品は幾度も映画化もされたので、原作は読んでいなくても、ほとんどの人はその話を聞いたことあるだろう。ダルタニャンという若造が銃士を志し、パリに上京する。そこでリーダーシップに満ちたアトス、大力無双のポルトスと謎多きアトスという三人の銃士と知り合い、当時の王であるルイ13世のために、一緒に様々な冒険にでる。
簡単にいうと『三銃士』は三人ではなく、四人の男の物語です。四人ならなぜそのタイトルなのかとつっこみたくなる人は是非その勢いでその小説を読んで欲しい。
純文学でありながらも、ヤンキー漫画に負けないほど熱い友情が魅力。
テンポも良いし、感動シーンも多くて、読み出したら大人もすっかり銃士の世界に入り、木の枝を振り回したくなる気持ちも分かるだろう。
そういう遊び心をくすぐってくる作品こそ、名作。
ちなみにこれは任天堂のキャッチフレーズではないです。
著者 : アレクサンドル・デュマ
出版社 : 岩波文庫
Noisette Press 57号 (2018/10)




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