フランス人は普段、水代わりにワインをガブガブ飲んでいるってホント?

それが本当だったら、このフランスは立派な歴史を誇りながらも、ただのアル中の国家に過ぎないか。確かに、はじめてパリに来る観光客は、地下鉄でよくアルコールを片手に千鳥足になるホームレスを見て、そういう印象を受けるかもしれないけど、たいていの家庭の酒癖は違うと言っても当然、過言ではない。

中世時代に井戸で汲まれる地下水などは少々汚れたせいで、どちらかというと、ぶどう酒の方が澄んでて健康的だと言われるのも事実だったが、現在のフランスはミネラルウォーターの大生産国である上、医療レベルも普通に先進国並みなので、さすがにお酒は適度に飲むべきだと、耳タコができるほど若いうちから叩き込まれる。

フランス人はワインが詳しいと思われがちだが、手頃の値段で販売されることもあって、食事の時にしょっちゅうワインがでることも否定できなくても、決して「飲んでる」から「知ってる」とは言いきれない。基本的に、皆はワインの売り場で非常に真面目な顔をしてワインを一本ずつ凝視してから、最終的に、単純にラベルか値段を見て選んでしまうような気がする。高ければ高いほどいいワインである保証がないとはいえ、カップ麺と同じ値段で買えるのを友達に飲ませたら嫌な顔をされるのも見え見えだから、だいたいは予算を決めてからラベルで選ぶ。勿論その中途半端な知識で不満のある人が多いからこそ、そういう非常に分かりやすいワインの入門書がベストセラーになる。

ワインの作り方をはじめ、ぶどうの種類の特徴などが要約される他、フランス人が祝い事に赤ん坊の耳たぶにシャンパンの一滴をつける話や、ワインの正しい選び方・飲み方も丁寧に説明されており、その世界が気になる人、ラベル以外の方法でワインを選びたいと思う人には、もはや必読。

翻訳家 : 河清美
出版社 : パイインターナショナル
Noisette Press 54号 (2018/07)

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